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Active Careのススメ

アクティブケアとは

Active Care のススメ 第一章 肩こり、頸椎のアクティブケア

肩こりのアクティブケアにおいて、一番重要なのはなんといっても肩甲骨にあります。

前述したように肩こりの多くは血行不良が原因ですので、血行をよくすれば良いのですが、肩周辺の肩甲骨に多くの毛細血管があり、それを刺激することが肩こり退治の第一章になるわけですね。

最初の3つは私のオフィスでも必ずお伝えするもので、水分補給とアイシングと合わせて行うことで患者さんのなんと8割近くの方の肩こりが改善されています。

 

急性期の場合はRICEを基本とした、安静期を48時間程度とり、その上でアクティブケアを始めることをお勧めします。

 そしてこれは大前提になるのですが、
全てのアクティブケアは痛みがないように行うことが基本になります。

 

そしてアクティブケアにおいて一番いけないことは

‘何もしないこと’です。

その次にしてはいけないのは

‘やりすぎる’ことです。

 

一般の方に一番良いのは、簡単な体操(一日2-5分以内)の物を、毎日ほどほどに行う事です。日本のみなさんは歯をみがくのに、‘身体をみがく’ことはあまりしない方が多いと感じます。身体をみがくこととはすなわちアクティブケアのことで、最初のうちはリハビリとして行っていることも、症状が良くなってきたら、それは、予防の体操になるのだとおもっていただくのがよいでしょう。身体もみがかなければ錆ついたり、虫歯のような状態にもなりかねません。簡単な体操が毎日行えるようになったら、少しづつ時間を伸ばしていくのが理想だと思います。

 

ご自分の好きな運動やスポーツを取り入れることができれば、より良い結果を導きだすのは簡単に予想がつくと思います。

 

ではまず一つ一つ体操を見ていきましょう。

 

 

 

 

 

はじめに、、

肩こりや腰痛といった症状は誰にでも起こりうるものです。おそらく人生のうちに一度もこの症状になることがない人は、ほとんどいらっしゃらないかもしれません。人類が二足歩行を始めた時から、この肩こりや腰痛というものが人類すべての‘敵’になる宿命だったのかもしれません。

 

肩こりとは辞書をひくと‘ 肩、首周辺の筋肉が持続的緊張によって筋肉が硬くなり、局所に循環器障害が起こること。酸素や栄養分が末端まで届かず疲労物質が蓄積しこれが刺激となって肩こりを起こす ’とあります。

 

つまり血流が悪いということです。

ということは、もし肩こりを治したいのなら、その血流そのものを良くしてあげることが、一番の近道なのではないかと思うのです。

 

受動的な医療の場合、病院に行って、肩こり、いわゆる頸肩腕症候群だと診断されれば、まず痛み止め、それでもだめなら筋弛緩剤が投与されます。筋弛緩剤の多くはマイナートランキライザーと呼ばれる薬で心身症、不安やうつ、睡眠障害等の場合にも処方されるものです。ブロック注射と呼ばれる強い麻痺系の薬を注射したり、1週間ほどで体に吸収されることが分かっているヒアルロン酸等も注射の対象となるでしょう。

 

みなさんもお分かりのように前述したものすべてが体に良いはずがありません。薬というものは自分でコントロールしているうちならまだしも、多くの患者さんが薬にコントロールされてしまっています。加えて、100%副作用のない薬はこの世には存在しません。そして一度服用すれば、体は基本的にそれを分解しなければならず、肝臓や腎臓を主とした内臓への負担は言うまでもありません。もちろん私は全ての投薬を否定しているわけではありません。必要な薬と必要ではない薬があり、後述しますが日本ではあまりにも後者のケースが多いと言わざるを得ません。

 

薬を使わない代表的なものは、鍼灸やマッサージ、整体やカイロプラクティック等の代替療法になります。基本的には、針やお灸の場合は肩こりの症状にあった経絡へのアプローチになることになり、マッサージ等では直接患部への刺激治療ということになります。

 

しかし、上記にある受動的医療(パッシブケア)のほとんどは効果が常に一時的なものであるのはみなさんも経験がおありだと思います。つまり一時的に痛みをおさえている間にあなた自身の体がいつのまにか自分自身を治しているのです。したがって、多くのパッシブケアは‘痛み’をおさえてくれるだけのものだという理解、認識が必要になります。

私はすべてのパッシブケアを悪だとは思っていませんし、私自身もパッシブケアを患者さんに毎日行っています。前述しましたが、薬はコントロールするものであって、コントロールされるものではありません。しかし、多くの方が薬というものに対して依存し、苦しんでいるのを目の当たりにし、それではいけないのだという気持ちが多くあります。

 

カイロプラクティック治療に関しては脊椎そのものにアプローチし身体本来の機能を戻すことで、自然治癒力が増幅されることは科学的に証明されていますが、その効果も多くは一時的であることが多いようです。そしてアクティブケアを行うことで一時的にしか効果のないパッシブケアの効果時間を少しずつ延長させる、たとえば治療の後に効果が3日しか続かなかった物がアクティブケアを行ってその3日が1週間になり、それが1ヶ月になる事で身体は進化していき、最終的にはご自分でご自分の身体をメンテナンスする事ができれば最高ではないでしょうか?

 

 

前書き

私は1992年に渡米し、その後16年間米国でスポーツ医学とリハビリテーション、そしてカイロプラクティックを学びました。

小学2年時からサッカーを始め、長い間、サッカーをすることで身を立てるつもりでいました。しかし高校2年の時に膝を痛め、その時に診て頂いた医師に‘もうあなたの膝は治らないので、サッカーは止めた方が良い’と言われ全てを奪われてしまったかのように思い、悩み、葛藤していました。高校卒業後、世はバブル景気に沸いておりバイトでも十分食べて行けたので、家を飛び出し、アメリカに行く費用を貯め、ただなんとなくアメリカに行きました。大した目標もなくただ何となく。 

英語学校を無事卒業し、二年制の大学に入学した時、クラブでサッカーをやる機会がありました。その時に私よりも酷い膝の怪我を負った選手が普通にサッカーをしていたのです。 

これは衝撃的でした。 

なぜ私は外側半月板を損傷しただけで、サッカーを止めろと言われたのに、この彼は靭帯を3本断裂、内側半月板損傷をしていたのに普通にサッカーをしているのか? 

疑問でした。日本の医療とアメリカの医療に違いがあるのか? 

一体なにが違うのか? 

まだインターネットもない時代に、時間をかけて調べました。 

すると、日本の医療は手術件数も技術も世界に引けをとらないレベルであることがわかりました。では何故あの時あの医師は私に死刑宣告とも言えることを言ったのか。 

調べていくと日本の医療とアメリカの医療の大きな違いは‘リハビリテーション’にありました。 

日本は戦前から細胞医療とも言われるドイツ式医療を行っていました。ひと昔前のお医者さんのカルテがドイツ語で書かれていたのはその為なんです。

臓器や傷害がある部位を丹念に調べあげ、画像上や検査上ノーマルではない部分に手術、切除、移植、投薬などを行うことで‘ノーマル’の状態に近づけること、いわゆる対症療法と受動的医療を主たるものとしていました。言い換えれば医師は切って貼ったらその後のリハビリはほとんどなく、患者は治ったものだと考えていたのです。日本とアメリカの医療での決定的な違いは、リハビリそのものにあったのです。 

その後、私は私のような思いをする患者さんを一人でも減らしたいという思いから、リハビリを学びました。 

4年制の大学を卒業後、NATAアスレティックトレーナーの国家資格を取得し、近所の高校で働いていました。アメリカにおいて未成年に対する医療従事者のアプローチには多くの制限があり、練習後にアイシングをしてもらうこと位しか、特にすることもなく、自分の力のなさを痛感しました。そのこともあり、私は自分の手で患者さんの手助けをしたいという思いから、徒手療法としては最高峰であるカイロプラクティックのドクターを目指しました。 

幸運にも2002年にロサンゼルスドジャースでトレーナーとして働く機会に恵まれ、その後、様々なトップアスリートやオリンピック選手と仕事をさせていただきました。彼らの多くは当然のようにモチベーションが高く、私のアドバイスに耳を傾け、実行していくことでパフォーマンスや結果そのものの向上をみることができました。

しかし、一般の患者さんはこれとは大きく異なることを私はロサンゼルスで開業した時に身をもって知りました。 

そこで私が重要視したのが、従来の受動的医療だけではなく、患者さんが自分のために何かを能動的に行うアクティブケアといわれるものでした。 

 

この本を通じて、私が20年近く臨床を行ってきて得たものを、少しでもこれからの医療従事者やカイロプラクターに伝えることができることを、それとともに多くの患者さんがアクティブケアの重要性、予防の大切さを認識していただければ、こんなにもうれしいことはありません。 

 

2016年12月吉日 

(株)トータルリハビリテーション

代表 友広 隆行